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Resonance
​House

「古民家」と呼ぶには少し若く、「立派な日本家屋」とも違う。素朴でどこか懐かしい空気をまとう、築60年の小さな平屋。田園風景が広がり、風が心地よく抜けるこの地に惹かれ、ここを舞台に、私たちの拠点づくりがはじまった。

大量の残置物の片付けから、解体、仕上げのしっくい塗りまで、できる限り自分たちの手を動かしリノベーションを進めた。解体の中で見えてきた、記録には残っていない増改築の跡、時間を重ねた素材の力強さや秘めた性能、かすかに漂うかつての暮らしの気配。そうしたひとつひとつと対話するように、丹念に取り外した古材を組み直し、下地や仕上げ材として随所に転用した。調湿性や蓄熱性に優れた土壁は、そのまま残せるところは残し、間取り変更のために解体した土壁は練り直して再利用している。

同時に、耐震性や断熱性を高め、日射コントロールのために開口位置を調整し、自然光や風、井戸水といった自然エネルギーを活かして住環境を整えた。庭もまた、切り株や勝手ばえの木を残しつつ、地中の水脈を守りながら整え、植栽を少しずつ加えている。

家も庭も完成形ではなく、暮らしながら少しずつ手を加え、積み重ねられた歴史の中に今の暮らしを織り込んでいく。

人と時間と自然が重なる日々の豊かさの中で、住まいはこれからもゆっくり育ち続ける。
──「Resonance(レゾナンス)」、共鳴の名を冠して。

竣工:2024年3月 / 所在地:京都府木津川市 / 延床面積:135.52㎡(41.00坪) / 施工:協力業者多数  / 撮影:Kazuoki Yasugi

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