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置き屋根
Double roof
昔ながらの蔵に見かける”置き屋根構造”から発想を得ており、建物ボリュームと浮いた屋根の間には風が大量に通り抜けます。夏においては、浮いた屋根面で日射を反射しつつ、日射により高温になった屋根面からの温放射は大きな通気層で放出され、室内には日射の熱が侵入しないため、天井面の温度の上昇を抑える効果があります。例えるなら、建物が日傘をさしている状態になります。また、宇宙は-270°と想像を絶する低温であり、冬には宇宙から冷放射が降り注いでいます。夏と同様に、キンキンに冷えた屋根面からの冷放射は大きな通気層で放出され、屋内に影響を与えません。
晩夏の9月20〜21日において、置き屋根である2階の天井と一般的な屋根である1階平家部の天井の2箇所を計測し比較した。室内気温に関しては、普通屋根よりも置き屋根の方が最大2℃程低くなっている。各々の表面の温度を比較すると置屋根の方が普通屋根よりも低く推移している。人体にどれだけ影響を与えるのか、より実感に近い熱力学的概念である
「エクセルギー」の概念で解析すると、夜間は屋内を温めようとする力が普通屋根よりも置き屋根の方が約半分であり、昼間は屋内を冷やそうとする力が普通屋根の約2倍である。置き屋根により屋外の温冷放射が屋内に与える影響を抑え、温熱環境を整えてくれている。
Use case
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